Microchip PIC・AVR品番の読み方 — PIC16F877A-I/P・ATmega328P-AU・AVR128DA48-I/PTの末尾の文字の意味(温度・パッケージ・梱包)

管理者・2026.11.04

PIC16F877A-I/PとPIC16F877A-I/PTを持って同じものかと尋ねるお客様に、スラッシュの後ろの文字はパッケージだと教える女性スタッフ

図の説明: お客様が片手に両側に足が長く並んだ細長い部品(PIC16F877A-I/P)を、もう片手に四方に足がある平たい四角い部品(PIC16F877A-I/PT)を持って「名前がまったく同じだから同じものですよね?」と尋ねます。赤いエプロンをした女性スタッフが「スラッシュの後ろを見てください。/Pは挿入型のPDIP、/PTは平たいTQFPです!」と答えます。

Microchipのマイコンは大きくPICとAVRの2系統に分かれます。同じチップでも注文品番の末尾がPIC16F877A-I/P・PIC16F877A-I/PT・ATmega328P-AU・ATmega328P-PUのように何種類もあり、末尾の文字はほとんどが温度グレード、パッケージ(本体の形)、梱包(チューブ・トレイ・リール)を表します。

この記事はMicrochipデータシートのProduct Identification System(PIC・新AVR)とOrdering Information(旧Atmel AVR)の欄だけをもとにまとめました。旧Atmel式AVRは文字の解説図がないため、注文表を突き合わせて読み取ったものには[推定]と表示しています。

まず知っておくこと
STM32は別の記事で

この記事はMicrochipの8ビットマイコン(PIC・AVR)だけを扱います。STのSTM32品番は別にまとめています。

https://eguro.kr/ja/board/view.html?b=library&id=87

PDIP・SOIC・TQFP・QFNなどのパッケージ名になじみがなければ、パッケージの記事を先にご覧ください。

https://eguro.kr/ja/board/view.html?b=library&id=59

1. PICを1欄ずつ読む — PIC16F18446T-E/SS

Microchip品番の読み方
PIC16F18446T-E/SSを1欄ずつ読む
PIC16(L)F18426/46データシート(DS40001985C)695ページ Product Identification System
①PIC16F18446
②T
③-E
④/SS
PIC16F18446① デバイス
チップ名
F・LFはここに入る(5節)
T② 梱包
テーピング・リール
なければチューブ
-E③ 温度
−40~125℃
I = −40~85℃
/SS④ パッケージ
20ピンSSOP
P · SO · SL · ST · ML …
ハイフンの後ろ = 温度、スラッシュの後ろ = パッケージ

PICのデータシートはすべて同じ書式“PART NO. X /XX XXX”を使います — デバイス → 温度 → パッケージ → パターン。Tはハイフンの前、デバイス名のすぐ後ろに付きます(PIC12F675T-I/SN)。末尾にPIC16F873A-I/P 301のように3桁の数字がさらに付くと、工場でプログラムを書き込むQTPパターン番号で、通常の品番にはありません(DS39582C・DS41190G)。

PIC12・PIC16・PIC18の数字や877・675などの番号の意味はProduct Identification Systemに出てこないため、この記事では解説しません。

2. 温度の文字 — I・E(旧品番は空欄も)

文字温度範囲名称記載のあるデータシート
(なし)0~70℃Commercial旧PIC16F877のみ
I−40~85℃IndustrialすべてのPIC・AVR128DA
E−40~125℃ExtendedPIC12F675 · PIC18F4550 · PIC16F18446 · AVR128DA
よくある間違い
PIC16F877AはIのみ

PIC16F87XAデータシート(DS39582C 231ページ)の温度欄にはI(−40~85℃)だけがあります。お客様が「125℃版の877A」を探していても、そのような注文コードはこのデータシートにありません。逆にPIC12F675-E/PのようにEがあるチップはIとEが別の品番なので、Iを使っていたところにEを、またはその逆を送るときは事前にお客様に確認します。

3. スラッシュの後ろのパッケージ文字(PIC・新AVR)

文字パッケージ例
PPDIP(挿入型)PIC16F877A-I/P · PIC12F675-I/P
SPSkinny PDIP(幅300mil)PIC16F876A-I/SP · AVR128DA28-I/SP
SOSOIC — 広幅7.50mmPIC16F18446-I/SO · AVR128DA28-I/SO
SNSOIC 8ピン — 狭幅3.90mmPIC12F675-I/SN
SLSOIC 14ピン — 狭幅3.90mmPIC16F18426-I/SL
SSSSOP (5.30mm)PIC16F18446-I/SS · AVR128DA28-I/SS
STTSSOP 14ピン(4.4mm)PIC16F18426-I/ST
PTTQFP(四方に足、薄型)PIC18F4550-I/PT · AVR128DA48-I/PT
MLQFN(足のない四角)PIC16F877A-I/ML
LPLCCPIC16F877A-I/L
MF · MD8ピンMLF-S・DFN 4x4PIC12F675-I/MF
JQ · GZUQFN 16ピン・20ピン4x4PIC16F18446-I/GZ

パッケージ名と幅は各データシートのProduct Identification Systemとパッケージ図面のタイトルに書かれた値です(DS39582C・DS41190G・DS40001985C・DS40002183E)。文字はデータシートごとに使うものだけが載っているので、初めて見る組み合わせはそのチップのデータシートで確認します。

よくある間違い
SOとSN・SLは同じSOICではない

3つとも「SOIC」ですが本体の幅が違います。SOは広幅(Wide, 7.50mm・300mil)、SN・SLは狭幅(Narrow, 3.90mm)です。基板のフットプリントが違うため互いに置き換えできません。見積表に「SOIC」としか書かれていなければ、スラッシュの後ろの文字まで確認します。

4. T = テーピング・リール、チップには印字されない

品番梱包
PIC16F18446-I/SSチューブ(Tなし)
PIC16F18446T-I/SSテーピング・リール
AVR128DA48-I/PTトレイ(Tなし)
AVR128DA48T-I/PTテーピング・リール

新しいデータシート(DS40001985C・DS40002183E)は“Blank = Tube” / “T = Tape & Reel”と書き、注記で“is not printed on the device package” — Tはチップに印字されないと明記しています。そのためチップだけを見てもリールから出たものかは分からず、リールラベルの品番で確認します。

旧データシートはTが付けられるパッケージを限定しています。PIC16F877Aは“SOIC, PLCC, TQFP packages only”、PIC18F4550は“TQFP packages only”です。PDIP(/P)にTを付けた品番はこれらのデータシートにありません。

5. FとLF — 旧PICと新PICで意味が違う

データシートF電圧LF電圧
PIC16F877A (DS39582C)4.0~5.5V2.0~5.5V
PIC18F4550 (DS39632E)4.2~5.5V2.0~5.5V
PIC16F18446 (DS40001985C)2.3~5.5V1.8~3.6V

旧PICではLFはFより低い電圧まで動作する版です(PIC18F4550データシート: “LF = Wide Voltage Range”)。上限はFと同じ5.5Vです。

よくある間違い
新PICのLFは5Vで使えない

PIC16F18446データシート2ページはPIC16LF18446を1.8~3.6V、PIC16F18446を2.3~5.5Vと書き、LFは“lower maximum VDD and I/O voltage than the F devices”と明記しています。昔の感覚で「LFは広電圧だからFの代わりに使える」とすると、5V回路にLFを送る事故が起きます。F・LFは別の品番と考え、そのチップのデータシートの電圧範囲を必ず確認します。

6. PIC16F877とPIC16F877A — A1文字の違い

旧PIC16F877PIC16F877A
注文品番の例PIC16F877-20/PPIC16F877A-I/P
周波数欄あり 04・10・20(MHz)なし
温度の文字なし(0~70℃)・I・EIのみ
フラッシュ書き込み1ワードずつ4ワード単位
コンパレータなし2個

旧PIC16F87Xデータシート(DS30292D 209ページ)は注文品番に周波数欄があり、PIC16F877-20/P(20MHz, 0~70℃)・PIC16LF876-04I/SO(4MHz, Industrial)・PIC16F877-10E/P(10MHz, Extended)のように数字と温度の文字が付いています。877Aにはこの欄がありません。

877AデータシートのAppendix C(表C-1)は2つのチップの違いをまとめています。ピン数(28/40)とメモリ容量は同じですが、フラッシュの消去・書き込み単位(single-word → four-word blocks)、コンパレータ・比較基準電圧、A/Dクロックの選択が違います。ピンが同じでもファームウェアまでそのまま合うとは限らないので、877を877Aに置き換えるときはお客様側の開発者に確認します。

7. 旧Atmel式AVRを1欄ずつ読む — ATmega328P-AUR

Microchip品番の読み方
ATmega328P-AURを1欄ずつ読む
ATmega328Pデータシート(DS40002061B)635ページ Ordering Information・ATtiny85(2586Q) Code indicators
①ATmega328P
②A
③U
④R
ATmega328P① デバイス
チップ名
P = picoPower製品(9節)
A② パッケージ
32ピンTQFP
M = VQFN, P = DIP
U③ めっき・温度
つや消しスズ・85℃
N = 105℃版、H = NiPdAu
R④ 梱包
テーピング・リール
なければリールではない
温度がハイフンのすぐ後ろに来ない — PICと順序が違う
注文品番パッケージ温度
ATmega328P-AU · AURTQFP 32ピン(32A)−40~85℃
ATmega328P-MU · MURVQFN 32ピン5x5(32M1-A)−40~85℃
ATmega328P-MMH · MMHRVQFN 28ピン4x4(28M1)−40~85℃
ATmega328P-PUSPDIP 28ピン0.300インチ(28P3)−40~85℃
ATmega328P-AN · ANRTQFP 32ピン(32A)−40~105℃
ATmega328P-MN · MNRVQFN 32ピン(32M1-A)−40~105℃
ATmega328P-PNSPDIP 28ピン(28P3)−40~105℃

この表はデータシートの注文表そのままです。注記にR = Tape & Reel、MMHのH = NiPdAu Lead Finish(ニッケル・パラジウム・金めっき)と書かれています。ATtiny25/45/85データシートのCode indicatorsは“H: NiPdAu lead finish, U: matte tin, R: tape & reel”で、Uは温度ではなくつや消しスズめっきだと説明しています。105℃版の付録(ATtiny25, 2586N)では同じ位置がN(matte tin, −40~105℃)です。

ATmegaのデータシート自体にはU・Nの説明がなく、ハイフンの後ろの最初の文字(A・M・MM・P)がパッケージだというのも注文表の対応から読み取ったものなので[推定]です。ただし表ではUの行はすべて85℃、Nの行はすべて105℃なので、-AUと-ANを取り違えて送ってはいけません。

8. ATtiny85 — 真ん中の数字は速度

品番速度・電圧パッケージ
ATtiny85-20PU20MHz · 2.7~5.5VPDIP 8ピン(8P3)
ATtiny85-20SU20MHz · 2.7~5.5VSOIC 8ピン0.208インチ(8S2)
ATtiny85-20SH20MHz · 2.7~5.5VSOIC 8ピン・NiPdAuめっき
ATtiny85-20MU20MHz · 2.7~5.5VQFN 20パッド4x4(20M1)
ATtiny85V-10PU10MHz · 1.8~5.5VPDIP 8ピン(8P3)
ATtiny85V-10SU10MHz · 1.8~5.5VSOIC 8ピン(8S2)

ATtiny85の注文表(2586Q 206ページ)はすべて−40~85℃で、-20・-10が速度(MHz)の欄です。Vが付いたATtiny85Vは1.8Vから使える低電圧版です。SUR・SHR・MURのように末尾にRが付くとリールです。

よくある間違い
-20でも20MHzは4.5V以上のみ

データシート1ページのSpeed GradeはATtiny85を“0 - 10MHz @ 2.7 - 5.5V, 0 - 20MHz @ 4.5 - 5.5V”と書いています。3.3V回路で20MHzで動かすというお客様なら、「-20だから大丈夫」と済ませずにこの条件を伝えます。

またATtiny85のSOIC(8S2)は0.208インチ(約5.3mm)EIAJ幅なので、PIC12F675-I/SN(3.90mm)と同じ「8ピンSOIC」でも本体の幅が違います。

9. いちばん間違えやすいこと — 同じP、違う意味

ATmega328P-PUとATmega328-PUを並べて、名前の中のPとハイフンの後ろのPは意味が違うと教える女性スタッフ

図の説明: カウンターの上にそっくりな28ピンの挿入型部品が2つ置かれ、名札にはATmega328P-PUとATmega328-PUと書かれています。お客様が「Pが1つ抜けただけですよね?」と尋ねると、赤いエプロンをした女性スタッフが「名前の中のPはpicoPower製品、ハイフンの後ろのPはパッケージです。別の品番ですよ!」と答えます。

どこのP意味例
ATmega328P (名前の中)picoPower製品ATmega328P-AU
-PU(ハイフンの後ろ)DIPパッケージ [推定]ATmega328P-PU
/P (PICスラッシュの後ろ)PDIPPIC16F877A-I/P
/SP (PIC・新AVR)Skinny PDIP 300milAVR128DA28-I/SP

ATmega328Pデータシートは複数の注記で“picoPower devices ATmega48PA/88PA/168PA/328P”と書き、BOD無効化(BODS)などの機能をこのpicoPowerチップだけに持たせています。PがないATmega328-PU・ATmega328-AUは同じデータシートに別の注文表がある別の品番です。「Pが1つ抜けただけだから同じチップ」と考えて置き換えて送ってはいけません。

知っておくと便利な点
同じ28ピン挿入型でも文字が違う

ATmega328P-PUの28P3は“28-lead, 0.300” Wide, Skinny Plastic Dual Inline Package (SPDIP)”です。同じ300mil 28ピンDIPを、PIC・新AVRは/SP、旧Atmel式は-PUと書きます。逆にPIC16F877A-I/Pは40ピン600mil PDIPです。文字よりもピン数・幅を見ます。

10. 新AVRはPICと同じ方式 — AVR128DA48-I/PT

Microchip品番の読み方
AVR128DA48T-I/PTを1欄ずつ読む
AVR128DA28/32/48/64データシート(DS40002183E)Figure 39-1 Product Identification System
①AVR
②128
③DA
④48
⑤T
⑥-I
⑦/PT
AVR① ファミリ
AVRマイコン
128② フラッシュ
128KB
Flash size in KB
DA③ 製品群
Family
文字の意味の解説はなし
48④ ピン数
48ピン
28 · 32 · 48 · 64
T⑤ 梱包
テーピング・リール
なければチューブ・トレイ
-I⑥ 温度
−40~85℃
E = −40~125℃
/PT⑦ パッケージ
TQFP
6LX · MR · RXB = VQFN
Atmel式(-AU)ではなくPICと同じ-温度/パッケージ

同じ図には、ピン数の後ろにS(PDID機能あり — プログラム・デバッグ接続を防ぐセキュリティ機能)、末尾にVAO(Automotive)が付くことがあると示されています。例: AVR128DA48S-I/PT・AVR128DA64ST-E/PTVAO。VAO品番は要求に応じて作るコードなので注文表にはありません(649ページの注記)。

旧Atmel式新Microchip式
例ATmega328P-AURAVR128DA48T-I/PT
温度ハイフンの後ろの末尾の文字 U・N [推定]ハイフンのすぐ後ろにI・E
パッケージハイフンの後ろの最初の文字 A・M・P [推定]スラッシュの後ろにPT・SO・SP
リール末尾にRピン数の後ろにT

同じMicrochipの中でも、ATmega328P(2020年版DS40002061Bを含む)・ATtiny85のデータシートは今も-AU・-PU式、AVR128DAは-I/PT式です。品番の形を見てどちらの規則かを決めて読みます。車載用の旧AVRはさらに違い、ATmega328P-15AZ(TQFP32, −40~125℃, 16MHz)のように書きます(7810D 285ページ)。15・Zの意味はデータシートにありません。

11. チップ表示 ≠ 注文品番

PIC16F877Aデータシートの表示例を見ると、40ピンPDIPはPIC16F877A/P、44ピンTQFPはPIC16F877Aと/PTを2行に分けて印字し、下の行に年・週・トレースコード(YYWWNNN)が入ります。1行に収まらなければ次の行に送ると書かれています。ここにリールを表すTは印字されません(4節)。チップ上面だけで注文品番全体を当てようとせず、袋・リールのラベルも合わせて見ます。

ひと目でまとめ
Microchip注文品番を見る順序
  • まず形から — -I/PTのようにスラッシュがあればPIC・新AVR式、-AUのようにスラッシュがなければ旧Atmel AVR式
  • 温度 — I −40~85℃・E −40~125℃、旧877は空欄で0~70℃。旧AVRはU 85℃・N 105℃の行
  • パッケージ — P・SP・SO(広幅SOIC)・SN・SL(狭幅SOIC)・SS・ST・PT・ML。同じSOICでも幅が違う
  • 梱包 — PIC・新AVRはデバイスの後ろにT、旧AVRは末尾にR。チップには印字されない
  • F · LF — 新PIC16LF18446は最大3.6V。旧LFと逆
  • 名前の中の文字 — 877 ≠ 877A、ATmega328 ≠ ATmega328P。別の品番
品番が見つかったら在庫を確認してください。eGuroの部品検索で、中央流通団地をはじめとする韓国国内の流通業者の在庫を一度に見られます。

あわせて読みたい記事
・STM32品番の読み方
https://eguro.kr/ja/board/view.html?b=library&id=87
・部品パッケージ名まとめ
https://eguro.kr/ja/board/view.html?b=library&id=59

資料: Microchipデータシート — PIC16F87XA(DS39582C)・PIC16F87X(DS30292D)・PIC12F629/675(DS41190G)・PIC18F2455/2550/4455/4550(DS39632E)・PIC16(L)F18426/46(DS40001985C)・ATmega48A/PA/88A/PA/168A/PA/328/P(DS40002061B)・ATmega328P Automotive(7810D)・ATtiny25/45/85(2586Q)・ATtiny25 105℃付録(2586N)・AVR128DA28/32/48/64(DS40002183E)(2026-11-04確認)。旧Atmel式AVRは品番解説図がないため、[推定]表示は注文表から読み取ったものです。実際の注文前には該当品番の最新データシートで確認してください。

▲ 次の投稿Crea-Tek 데이터시트 — TVS·GDT·TSS·PPTC·MOV 보호 소자
▼ 前の投稿ST汎用部品の品番の読み方 — L7805CV・LM317T・STP55NF06の末尾の文字の意味(パッケージ・グレード・梱包)