オペアンプ・コンパレータの品番の読み方 — LM358・LM324・LM393・TL072、数字で見る回路数とパッケージ文字

管理者・2026.10.25

LM358 と LM393 のチップを手に、どちらも 8 ピンだから置き換えられるかと尋ねるお客さんと、一つはオペアンプ、もう一つはコンパレータだと答える女性店員

イラストの説明:電子部品店のカウンターで、お客さんが LM358 と LM393 と印字された 8 ピンのチップを 2 つ持って「どちらも 8 ピンだけど同じものですよね?」と尋ねます。赤いエプロンをした女性店員が 2 つのチップを指して「一つはオペアンプ、もう一つはコンパレータです!」と答えます。

オペアンプは小さな信号を増幅したりフィルタリングしたりする増幅器で、コンパレータは 2 つの電圧のどちらが大きいかを見て出力をオン・オフする部品です。LM358 · LM324 · LM393 · TL072 のように品番は短く互いに似て見えますが、品番の中の数字が回路数と温度グレードを、末尾の文字がパッケージと梱包を表しています。特に、ピン数が同じでもオペアンプとコンパレータは出力方式が異なり、14 ピン・5 ピンのチップはメーカーやシリーズごとにピン配置が違うため、そのまま差し替えてはいけない場合が多くあります。

値はすべて TI · ST · onsemi · Analog Devices · Microchip · Nisshinbo(NJR)のデータシートで確認しました。品番をクリックすると eGuro の部品検索で在庫を探せます。

目次
1. 1 行で読み解く(LM358DR)
2. 数字で見る回路数 — 1 · 2 · 4
3. オペアンプとコンパレータ — 見た目は同じでも出力が違う
4. 先頭の数字とグレード文字 — 温度 · 性能
5. パッケージ文字 — メーカーごとに違う
6. 同じ「オペアンプ」でも性能は違う
7. ピン配置 — 最も危険な落とし穴
8. チップ上面の捺印
9. よく探される品番の読み解き
10. 置き換え時に確認すること

1. 1 行で読み解く(LM358DR)

オペアンプ・コンパレータの品番の読み方 · 全体の構造
LM358DR を 1 区切りずつ読む
TI LM358 データシート(Device Information · Package Option Addendum)
①LM
②3
③58
④D
⑤R
LM① 頭文字
リニア IC
TI · ST · onsemi いずれも LM358
3② 温度グレード
0~70℃
1 = −55~125℃, 2 = −25~85℃
58③ 機能
オペアンプ 2 回路
24 = 4 回路(LM324)
D④ パッケージ
SOIC-8
P = DIP-8, PW = TSSOP
R⑤ 梱包
リール 2,500 個
R がなければチューブ
同じ LM358 SOIC リールでもメーカーごとに書き方が違う:LM358DR(TI)· LM358DT(ST)· LM358DR2G(onsemi)

このシリーズの品番は[頭文字] + 温度グレードの数字 + 機能の数字 + パッケージ + 梱包の順です。LM358DR は TI · 0~70℃ グレード · オペアンプ 2 回路 · SOIC-8 · 2,500 個リールです。同じ機能で先頭の数字だけを変えると温度グレードが変わり、LM158(−55~125℃)· LM258(−25~85℃)· LM358(0~70℃)になります(TI 基準)。コンパレータも同じ規則なので、LM193 · LM293 · LM393 は同じファミリーです。

2. 数字で見る回路数 — 1 · 2 · 4

シリーズ1 回路2 回路4 回路
LM シリーズ オペアンプ—LM358LM324
LMV 低電圧LMV321LMV358LMV324
TL07x(FET 入力)TL071TL072TL074
MCP600xMCP6001MCP6002MCP6004
LM シリーズ コンパレータ—LM393LM339

1 つのチップにオペアンプがいくつ入っているかは、品番の数字に含まれています。TL07x のように末尾の 1 · 2 · 4 で分けるシリーズが多く(TI の資料に「x is the channel count」とあります)、LM358 · LM324 のように数字がまったく異なるシリーズもあります。onsemi の資料には「LM358 は LM324 の半分」と書かれています。車載・広温度用に別の番号が付いたものもあり、LM2904 = LM358 の広温度版、LM2902 = LM324 の広温度版、コンパレータでは LM2903 = LM393、LM2901 = LM339 です。

3. オペアンプとコンパレータ — 見た目は同じでも出力が違う

オペアンプ・コンパレータの品番の読み方 · 出力
LM358 と LM393、ピンは同じで出力は違う
TI LM358 · LM393 データシート
LM358(オペアンプ)LM393(コンパレータ)
8 ピン配置1 OUT · 2 IN− · 3 IN+ · 4 GND · 8 V+まったく同じ
出力電流を吐き出し(source)、引き込む(sink)引き下げるだけ — オープンコレクタ
High を出すにはそのまま出るプルアップ抵抗が必須
用途増幅 · フィルタ電圧検出 · オン・オフ
LM358 の場所に LM393 を挿すと出力が High に上がらず、逆に挿すと比較出力が遅く中途半端になる

TI のデータシートでは、LM393 の出力はオープンコレクタ(open-collector)なので「プルアップ抵抗を目的のロジック電圧に接続してレベルを合わせられる」と説明しています。出力トランジスタは Low のときに最小 6mA を引き込むだけで、High のときはほとんど電流が流れないため、プルアップ抵抗がないと High が出ません。一方、LM358 は出力から電流を吐き出すこともできます(15V 電源で最小 20mA)。2 つのチップの 8 ピン配置はまったく同じで基板上では見分けられないので、必ず品番で確認してください。応答時間は LM393 で約 1.3µs(TI · ST · onsemi typ)です。

4. 先頭の数字とグレード文字 — 温度 · 性能

品番TISTonsemi
LM358 / LM3930~70℃0~70℃0~70℃
LM258 / LM293−25~85℃−40~105℃−25~85℃
LM2904 / LM2903−40~125℃−40~125℃ (2904)−40~105℃ (V 付きは 125℃)

先頭の数字が同じでも、メーカーごとに温度範囲が異なります。同じ LM2904 でも onsemi は −40~105℃ で、V が付いた LM2904VDR2G だけが 125℃ です。電源範囲も TI LM2904 は 3~26V、ST LM2904 は 3~30V と異なります。

  • A — オフセット電圧がより小さいグレード。TI LM358 7mV → LM358A 3mV、LM393 9mV → LM393A 4mV(最大)
  • B (TI LM358B · LM393B など)— 新世代版。電源最大 36V(LM358B)· 38V(LM393B 絶対最大)、ESD 2kV、LM358B は GBW 1.2MHz
  • V (TI LM2903V · LM2904V)— 電源の最大値がより高い版(LM2903V 32V、LM2904V 30V)
  • W (ST LM2904W · LM393W)— ESD 強化版(HBM 2kV)
  • E (onsemi LM358E)— ESD 2000V。同じ onsemi の LM358DR2G は 250V で 8 倍の差
  • Y(ST)· NCV(onsemi の頭文字)· -Q1(TI)— 車載用(AEC-Q100)
  • C · I · M (TL072 など)— 0~70℃ · −40~85℃ · −55~125℃(TI)。ST TL072I は −40~125℃

5. パッケージ文字 — メーカーごとに違う

オペアンプ・コンパレータの品番の読み方 · パッケージ
同じ文字でもメーカーごとに違うパッケージ
TI · ST · onsemi · Microchip · NJR 注文情報
文字TIST他のメーカー
DSOICSO8 チューブ(DT = リール)NJR NJM4558D = DIP8(生産終了)
PDIP-8TSSOP8 (LM393PT)Microchip P = PDIP
NDIP-14 (LM324N)—onsemi N = DIP-8
ST—MiniSO8 (LM358ST)Microchip ST = TSSOP-14
末尾 R / TR = 大きいリール、T = 小さいリール末尾 T = リールonsemi R2 = リール、G = 鉛フリー
同じ P でも TI は DIP、ST は TSSOP — 文字よりパッケージ名で確認

TI では 8 ピン DIP が P、14 ピン DIP が N です。ところが LM324NSR の NS は DIP ではなく SOP-14 リールなので、N だけを見て判断すると間違えます。ST は現行の資料から DIP がなくなっており(SO8 は D/DT、TSSOP8 は PT、MiniSO8 は ST、DFN8 は QT)、onsemi は LM358DR2G のように D(SOIC)+ R2(リール)+ G(鉛フリー)と書きます。Microchip は MCP6002T-I/MS のように T(リール)· I/E(温度)· /MS(MSOP-8)の順で、NJR は NJM4558M(DMP8)· E(SOP8)· V(SSOP8)であり、末尾の -D はパッケージではなく低雑音品を選別したグレードです。

6. 同じ「オペアンプ」でも性能は違う

品番電源特徴(データシート)
LM3583~30V(単電源)入力範囲に GND を含む、出力は上側電源から 1.5V 以上下がる
TL072±2.25~±20V (H)FET 入力、高入力インピーダンス、GBW 5.25MHz(H)
NE5532±5~±15V低雑音 5nV/√Hz、オーディオ用
LMV3212.7~5.5V低電圧、出力が電源の端まで(レール・ツー・レール)
MCP60021.8~6.0V入出力ともレール・ツー・レール、1MHz
OPA23331.8~5.5Vゼロドリフト、オフセット最大 10µV
OP07±3~±18V高精度タイプ、オフセット最大 75µV(E グレード)

どれも「オペアンプ」ですが、使う電圧と性能はまったく異なります。LM358 は 30V まで使えますが出力が電源の端まで上がらず、LMV321 · MCP6002 のような低電圧タイプは出力が電源の端まで振れる代わりに5.5~6V を超えてはいけません。TL072 · NE5532 は ± 2 電源を使う回路に向いています。品番が似ているからといって置き換えず、まず電源範囲を確認してください。

7. ピン配置 — 最も危険な落とし穴

種類ピン配置メーカー間
2 回路 8 ピン(LM358 · LM393 · TL072 · NE5532 · MCP6002)1 OUT A · 2 IN−A · 3 IN+A · 4 V− / GND · 5 IN+B · 6 IN−B · 7 OUT B · 8 V+すべて同じ
4 回路 14 ピン オペアンプ(LM324 · TL074 · MCP6004)4 V+ · 11 GND同じ
4 回路 14 ピン コンパレータ(LM339)3 VCC · 12 GND、出力 1 · 2 · 13 · 14LM324 と異なる
1 回路 5 ピン SOT-23下の図のようにばらばら同じメーカー内でも異なる

14 ピン比較:LM324 は 4 番 V+ · 11 番 GND、LM339 は 3 番 VCC · 12 番 GND

2 回路 8 ピンはオペアンプ · コンパレータ · メーカーに関係なく配置が同じなので、挿すこと自体は簡単です(だからこそ 3 章の出力の違いがより大きな落とし穴になります)。しかし4 回路 14 ピンは LM324 と LM339 で電源ピンが異なります。LM324 の場所に LM339 を挿すと、電源がそもそも違うピンに入ります。また、8 ピンの癖で 14 ピンの 4 番を GND だと思ってはいけません — LM324 は 4 番が +電源です。

SOT-23-5 1 回路オペアンプのピン配置比較:LMV321、TL071H·OPA333·MCP6001、MCP6001R、MCP6001U

最も危険なのは1 回路 5 ピンの SOT-23 です。同じ TI の中でも、LMV321IDBVR は 1 番が IN+、TL071H · OPA333 は 1 番が OUT です。Microchip には同じ MCP6001 でピンが異なる 3 種類(MCP6001 · R · U)があり、特に MCP6001R は 2 番が +電源、5 番が −電源で電源が逆になっています。TL071H · OPA333 は SOT-23 と SC70 の配置も互いに異なります。5 ピンのオペアンプは、品番の末尾の 1 文字までデータシートのピン図で確認してください。

LM324 の場所に LM339 を挿そうとするお客さんと、電源ピンの位置が違うと止める女性店員

イラストの説明:お客さんが基板の 14 ピンの場所に LM339 を挿そうとしながら「LM324 を抜いてこれを挿せばいいですよね?」と尋ねます。女性店員が手のひらを差し出して止めながら「電源ピンの位置が違います!」と答えます。

8. チップ上面の捺印

注文品番上面の捺印メーカー
LM358DRLM358TI
LM393DGKRM9P · M9S · M9U のいずれかTI
LMV321IDBVRRC1FTI
LM358STK405ST
LM393QTK5BST
MCP6001UT-E/OTCF + トレースコードMicrochip

SOIC · DIP のような大きいチップには品番に近い文字が捺印されますが、VSSOP · SOT-23 · DFN のような小さいチップは M9P · RC1F · K5B のような短いコードしか捺印されないため、そのメーカーのデータシートの捺印表で調べる必要があります。TI の新しい LM358BIDDFR も上面は旧 LM358DR と同じ LM358 なので捺印だけでは B 版かどうか分からず、onsemi NCV2903(車載用)も上面は 2903V なので表面だけでは区別できません。

9. よく探される品番の読み解き

品番メーカー内容パッケージ · 梱包
LM358DRTIオペアンプ 2 回路 · 0~70℃SOIC-8 リール
LM358DTSTオペアンプ 2 回路 · 0~70℃SO8 リール
LM358DR2Gonsemiオペアンプ 2 回路 · 鉛フリーSOIC-8 リール
LM2904WYDTST広温度 · ESD 強化 · 車載用SO8 リール
LM324NSRTIオペアンプ 4 回路SOP-14 リール
TL072HIDRTIFET 入力 2 回路 · 新ダイSOIC-8 リール
LMV321IDBVRTI低電圧 1 回路SOT-23-5 リール
LM393DRTIコンパレータ 2 回路SOIC-8 リール
LM339NTIコンパレータ 4 回路DIP-14 チューブ
MCP6002T-I/MSMicrochipオペアンプ 2 回路 · −40~85℃MSOP-8 リール

いずれも各メーカーのデータシートの注文情報にそのまま記載されている品番です。同じ LM358 SOIC リールでも、TI は DR、ST は DT、onsemi は DR2G と末尾が異なります。

10. 置き換え時に確認すること

  • オペアンプかコンパレータか — LM358 ↔ LM393 はピンが同じでも出力が異なる(コンパレータはプルアップ抵抗が必要)
  • 回路数とピン配置 — 14 ピン LM324 ↔ LM339 は電源ピンが異なる、5 ピン SOT-23 は品番の末尾の文字まで確認
  • 電源範囲 — 30V まで使う LM358 の場所に 6V までの低電圧タイプを入れてはいけない
  • 入出力範囲 — 出力が電源の端まで振れる必要がある回路か(レール・ツー・レール)
  • 温度グレード — 同じ LM2904 · LM2903 でもメーカーによって 105℃ と 125℃ に分かれる
  • パッケージと梱包 — 文字(D · P · N · ST)よりパッケージ名(SOIC-8 · TSSOP8 …)で、リール · チューブの数量も
品番が分かったら在庫を確認しましょう。eGuro の部品検索では、ソウル中央流通団地をはじめとする韓国国内の販売店の在庫を一度に見られます。

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